夫婦別姓 2006.7.05
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essay/satomi
10数年前、女性問題を考え出して間もない頃、いろいろな講座や講演会に出席して学ぶことが面白くて仕方がありませんでした。
ある女性会館で夫婦別性の講座がありました。毎週1回、何週間か続けての講座だったと思います。女性の弁護士の方が講師で、初めて体験したワークショップが面白く、また参加者の方々の意見に圧倒され、とても印象深い講座でした。
同じグループになった少し年配の女性が息子ふたりを、パートナーの認知後、自分と、パートナーとひとりづつそれぞれの戸籍に入れていました。「我が家は夫婦だけど苗字が違うし、子どもとも違う、息子たちも名前は?と聞かれたら、フルネームで答えることが当たり前」と堂々と自信をもって話されている姿に当時はずいぶんと驚きました。
「苗字が同じ方が愛情がわく」と言ってしまった(?)男性は参加者みんなに責められて、気の毒でした。
講師の方の系図を用いての具体的な、法律を踏まえての家系の関係や既得権などの講義は、知らないことばかりで、無知な自分にずいぶん落ち込みました。
それから時間はずいぶんと流れました。でも未だ「夫婦別姓」については、それがどういう問題なのかという基本的なことから、それがもたらす社会的な問題や子どもに関わる問題、財産の問題など、なんら話し合うことも、解決することもなく、一体何がどうなっていったのかわからない状況であると思います。事実、1996年、同姓・別性を選択できるといった、民法改正案が答申されましたが、その後2004年に別姓を例外措置とする案に後退し、社会的にもその論議の場が目立たなくなってきたように思います。
同姓が悪いということではありません。知人に聞くと、旧姓が好きではなかったという人も結構います。不便だからと、戸籍上とは違う、旧姓で日常生活を通している人も多いです。とても自然な気持ちで夫と同じ姓で生きていく人もいます。単なる記号だからと、どちらでも気にもしないと言う人もいます。でも、産まれながらの姓に愛着やこだわりをもっている人もたくさんいます。「○○さん!」と呼ばれたときに自然に振り返ることができる名前で生活できる権利は誰にもあると思います。それを大切にしてもらえる社会になって欲しいと願います。日本の社会の中では、夫婦が同じ戸籍の中で同じ苗字であることで、とても生活がしやすくなっています。戸籍を同じくすることで、たくさんの既得権も得られます。あえて戸籍を別にして、別性を選ぶことはとても不自由で、大きなリスクをともないます。かなり覚悟のいることかもしれません。それなのに、離婚の際にはその戸籍や名前がまた大きなネックでリスクになります。どうしておくことが1番「手間が省ける」(?)のでしょうか。離婚を前提に結婚をしないし、全てのリスクを避けるためにあれこれと知恵を絞り、考えをめぐらし、「危機管理」(?)をしておくことも、おかしな話ですが。今いちど、自分が属する「戸籍」について、その意味を考えてみることもいいかもしれません・・・戸籍謄本などじっくり見てみる(眺めてみる)ことも、結構面白いものです。
ある女性会館で夫婦別性の講座がありました。毎週1回、何週間か続けての講座だったと思います。女性の弁護士の方が講師で、初めて体験したワークショップが面白く、また参加者の方々の意見に圧倒され、とても印象深い講座でした。
同じグループになった少し年配の女性が息子ふたりを、パートナーの認知後、自分と、パートナーとひとりづつそれぞれの戸籍に入れていました。「我が家は夫婦だけど苗字が違うし、子どもとも違う、息子たちも名前は?と聞かれたら、フルネームで答えることが当たり前」と堂々と自信をもって話されている姿に当時はずいぶんと驚きました。
「苗字が同じ方が愛情がわく」と言ってしまった(?)男性は参加者みんなに責められて、気の毒でした。
講師の方の系図を用いての具体的な、法律を踏まえての家系の関係や既得権などの講義は、知らないことばかりで、無知な自分にずいぶん落ち込みました。
それから時間はずいぶんと流れました。でも未だ「夫婦別姓」については、それがどういう問題なのかという基本的なことから、それがもたらす社会的な問題や子どもに関わる問題、財産の問題など、なんら話し合うことも、解決することもなく、一体何がどうなっていったのかわからない状況であると思います。事実、1996年、同姓・別性を選択できるといった、民法改正案が答申されましたが、その後2004年に別姓を例外措置とする案に後退し、社会的にもその論議の場が目立たなくなってきたように思います。
同姓が悪いということではありません。知人に聞くと、旧姓が好きではなかったという人も結構います。不便だからと、戸籍上とは違う、旧姓で日常生活を通している人も多いです。とても自然な気持ちで夫と同じ姓で生きていく人もいます。単なる記号だからと、どちらでも気にもしないと言う人もいます。でも、産まれながらの姓に愛着やこだわりをもっている人もたくさんいます。「○○さん!」と呼ばれたときに自然に振り返ることができる名前で生活できる権利は誰にもあると思います。それを大切にしてもらえる社会になって欲しいと願います。日本の社会の中では、夫婦が同じ戸籍の中で同じ苗字であることで、とても生活がしやすくなっています。戸籍を同じくすることで、たくさんの既得権も得られます。あえて戸籍を別にして、別性を選ぶことはとても不自由で、大きなリスクをともないます。かなり覚悟のいることかもしれません。それなのに、離婚の際にはその戸籍や名前がまた大きなネックでリスクになります。どうしておくことが1番「手間が省ける」(?)のでしょうか。離婚を前提に結婚をしないし、全てのリスクを避けるためにあれこれと知恵を絞り、考えをめぐらし、「危機管理」(?)をしておくことも、おかしな話ですが。今いちど、自分が属する「戸籍」について、その意味を考えてみることもいいかもしれません・・・戸籍謄本などじっくり見てみる(眺めてみる)ことも、結構面白いものです。