1 離婚までの生活費
難しい状況ですね。相手方は、離婚成立までの間、生活費(婚姻費用)を支払う義務がありますが、その金額は収入に応じます。相手方が会社をやめてしまって無収入であれば、無収入の間は、婚姻費用分担額は、0円となります。ただし、相手方に資産(預金等)があり、稼働能力が認められれば、その稼働能力に応じた分担額の支払いが命じられる可能性もあります。相談者から、婚姻費用分担調停を起こすのがよいと思います。
2 親への返済
借用証を作成していないとなると、親の出費は、贈与と考えるのが素直でしょう。したがって、親へ返済するように要求することはできそうにありません。
ただし、マンションを売って残ったお金は、財産分与の対象になります。親が出費した事実は、分与割合を決める際の事情の一つとなります。
3 引越し費用
婚費分担とは別に引越し費用の支払いを求めるのは、理論的には難しそうです。ただし、実際の解決に当たっては、相手方に引越し費用の負担を求めることも多く、収入ないし資産のある側が負担をするのが常識的といえると思います。
4 離婚後の生活費用(婚姻費用)
財産分与も慰謝料も支払いがないような事例で、一方当事者がすぐには経済的独立ができない場合、その当事者が自立するのに必要と認められる期間に限って、婚姻費用の支払いを求めることができます。これは、扶養的財産分与と呼ばれています。
ただし、この支払額も相手方の収入により決まりますので、無職無収入であると、実際に支払わせるのは容易ではありません。婚姻費用分担調停の中で、あわせて話し合うしかなさそうです。
以上、いずれのご希望も、その実現は容易ではありません。弁護士に相談しながら手続を進めた方がよさそうです。弁護士費用が負担できないときは、お近くの法律扶助協会に扶助を申し込んで下さい。 |