私は、六才の娘を持つシングルマザー。
離婚したのは四年前、娘がまだ二才の時でした。別れた夫は定職につかず、子供の面倒もみず……と、毎日家でゴロゴロ過ごす生活を送っていました。そんな夫に対して”愛情”なんてものはすでになくなっていましたが、結婚した以上仕方ない事だし”子供のために我慢しよう”と必死に頑張っていました。
そして職につかない夫の代わりに、子供を保育園に預けて、私は仕事をする事にしました。その頃の夫と私は家庭内別居をしていたので会話する事もなく、とても夫婦とは思えない状態で毎日を過ごしていました。
それがある時フッと”私っていったい何の為に結婚しているのだろう?” ”何の為に毎日頑張ってるんだろう?”と思い始め、自分のやっている事がバカらしく思えてきたのです。
“このままじゃ何もかもダメになっちゃう”と思った私は、夫に離婚を申し出ました。
しかし、なかなか離婚に応じてくれず、お互いの両親を交えての話し合いは何度も続きました。そんな中、夫の言った一言で離婚は簡単に成立する事になったのです。今でも忘れないあの言葉。「お金ならないから、無理だから。」その時の私は怒る気力さえなく、ただただ呆れるばかりでした。結局お金なんだなーって… そして私は慰謝料も養育費も一切もらう事なく離婚したのです。
離婚したばかりの時は、正直毎日がいっぱいいっぱいの生活でした。でもそれは金銭的な問題がほとんどで、一ヶ月の生活費が一万円!なんてこともしばしば。子供を遊びに連れて行ってあげたくてもお金がなくて行かれない。”それならお金がかからない公園に行こう”と公園に行けば、休日ともなると家族連ればかりで、子供の羨ましそうな顔を見るたび胸を痛めた時もありました。そんな辛い思いをしながらも娘は大きく成長し、今では毎日元気に小学校へ通っています。
離婚をした事が、子供の為に良かった事だとは思っていません。けれど、愛のない家族を”子供のために我慢する”という気持ちだけで演じているより、苦労してでも離婚をして毎日笑顔で暮らして行ける方が私は大きな幸せだと思っています。
子供の幸せを考えるのは親として当然の事。でも、その幸せのほんの少しを自分の為に使ってもいいんじゃないのかな?なんて私は思う。
辛い事があれば良い事もきっとやってくる。離婚してから今までの四年間、”成せば成る”と思いながら前向きに子供と二人頑張ってきた今の私は、とても幸せです。
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