マンションについてですが、妻は離婚後ローンを負担する経済力があるのでしょうか。現在、ローンの名義は相談者になっていると思われますが、妻に十分な経済力が無い限り、金融機関は、ローンの名義変更に応じてくれない可能性が高いです。となると、相談者がマンションを取得して、残りローンを支払い、妻に対しては、不動産の価値への寄与度に応じた金銭を支払うという形をとるか、不動産を売却してその利益を2人で分けるかになると思います。ちなみに、清算対象となる不動産の価額は、マーケット価額×婚姻中取得財産÷購入価格で計算することになりますが、婚姻中取得財産には、婚姻中取得した財産で支払った頭金やローンがこれに含まれます。
退職金についてですが、退職金は賃金の後払的性格であることから、財産分与の対象となりますが、何年先の退職金まで認められるか否かの明確な基準はありません。ただ、別居時に自己都合退職した場合は、定年退職が何年先であっても、退職金支給金額が算定の対象となり、定年退職が約5年以内の場合、別居後の労働対価分を差し引いた退職金支給額が財産分与算定の対象となるようです。ですから、もし、相談者の定年退職が約5年以内に場合は、退職金が財産分与の対象となる可能性が高いです。
慰謝料についてですが、慰謝料は、婚姻破綻の原因について、夫婦双方に同程度の責任がある場合は、否定されることもあります。本件では、相談者の事情をもう少し伺う必要がありますが、あなたと妻双方に同等の責任があるとして、慰謝料が否定される可能性はあります。
養育費についてですが、子が成人するまでは、子が親に対して養育費を請求する権利があります。下のお子さんが18歳とのことですので、下のお子さんについては相談者が養育費を負担する義務があります。養育費について、仮に父母の間で放棄する合意をしても、その合意は無効であり、お子さんは相談者に養育費を請求できます。(高木) |