無料法律相談回答ページ

弁護士法律相談 No 0085
相談者の情報
女性 29歳 派遣・パート 日本
配偶者の情報
結婚 4 年 32歳 自営業 日本
現在の悩み、状況について
離婚について昨年より話し合いをしています。去年の末にやっと夫は離婚に同意、その後は親権、面接交渉権、子供の氏を変更するかどうか、という点(主に子供のこと)でもめていました。親権は私が取ることに渋々了承し、面接については私もだいぶ譲歩し、なんとか合意点をとることができました。 私が親権を取り子供と一緒に生活していくので、同じ名字である方が様々な手続きや社会的な面で煩わしいことが少ないと思い、子供の氏の変更を希望しているのですが、夫は断固として変えたくながっております。結婚した時に私は夫の姓に変え、子供も夫の姓になりました。離婚したら私は旧姓に戻るつもりです。
理想的な状態
夫に子供の氏の変更を承諾してほしい。フランスは日本と違い戸籍制度がないので、氏についての捉え方が違う。 私が氏を変更するのを、子供と夫との関連性を断つためだと思っている。そうではなくて、日本で生活するにあたって、母親と同居している子供の氏が違うことの方が不都合が多いということを理解してもらいたい。
回答
1 日本法上の氏とフランス法上の氏
娘さんは、日本とフランスの二重国籍と思われます。その場合、娘さんは、日本法上の氏とフランス法上の氏の二つを持っていることになります。仮に、日本法上の氏が変更しても、フランス法上の氏は変更しません。これを変更するためには、フランス法上の氏の変更手続が必要になります。 国籍を二つ持っているのと同様、氏も二つ持っていることを相手(夫)に説明して、理解を求めたらどうでしょうか。フランス法上の氏については、従前のままとすることを約束して、フランス法上の氏は相手の意思に従い、日本法上の氏は相談者の意思に従って決めることにすれば、平等であると思いますが、いかがでしょうか。

2 日本法上の氏の変更について
日本法上、相談者が「旧姓に戻る」と、娘さんも自動的に「旧姓の氏」となります。これについて、夫の承諾は必要ありません。 因みに、理論的なことを申し上げると、日本法上、相談者の氏は、現在も夫の氏と同一ではありません。外国人と結婚すると、日本人側の選択により、外国人の氏を名乗ることができますが、これは、呼称上の氏と呼ばれ、理論的には、戸籍法上の氏の変更はないものと理解されています。 例えば、相談者の旧姓がAで夫の氏がXの場合、結婚により、Xを名乗り戸籍上Xと記載されても、相談者の氏は、法律上、Aのままで、呼称上Xとされるだけに留まります。離婚して、呼称上の氏をAに戻すと、法律上の氏と呼称上の氏が再度一致することになります。したがって、相談者及び娘さんは、離婚しなくとも、法律上は、旧姓Aであることになります。難解な話とは思いますが、これが、相談者の呼称上の氏がAに戻ると、娘さんの呼称上の氏がAになる理由です。